展覧会のみどころ
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日本初の
フランソワ・ポンポン回顧展 - ポンポンが彫刻家として認められたのは、晩年の1922年、67歳の時です。サロン・ドートンヌにて長さ2.5mの大きな石膏の≪シロクマ≫を出品、しなやかで力強い生命感と、堂々とした安定感をもったこの作品は初めて高く評価されました。また、愛好者向けに作られた卓上サイズの≪シロクマ≫がアール・デコ様式の室内に調和する動物彫刻として、注文が舞い込むようになります。
本展では無名時代の初期作品から、評価された晩年に至るまでの作品を総合的に展示し、ポンポン作品の全貌を日本で初めて見ることのできる、必見の展覧会です。 -
《 シロクマ 》だけではない、
ポンポンの動物彫刻の世界 - ポンポンは、シロクマの彫刻だけを制作していたわけではありません。自ら飼っていたペットの猫や鳩、別荘のあったノルマンディー地方の田舎で見たアヒル、ガチョウ、牛や豚、またパリの動物園で観察したキリン、カバ、ペリカンや鹿などを多数彫刻にしています。ポンポンの観察眼、動物の特性を生かした美しいシルエットも見どころです。
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ポンポンのアトリエから寄贈された作品を所蔵する
ディジョン美術館からの初出品 - ポンポンゆかりの地、ディジョン。彼が通った美術学校が創設されたのは1766年。美術館はその付属施設として、1787年美術学生のために作られました。ディジョン美術館はルーヴル美術館開館よりも早い、フランス最古の美術館の一つです。本展覧会ではこの館が誇るコレクションの一つ、1948年にポンポンのアトリエから寄贈された貴重な作品の数々を出品、本邦初公開です。
女優の常盤貴子さんが音声ガイドを担当!
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今回の音声ガイドの話について、
お聞きになったときの感想をお願いします。 - 恥ずかしながら、“フランソワ・ポンポン”を存じ上げてなく、インターネットで検索すると可愛い作品がたくさん出て来ました。彫刻家をパートナーに持つフランスの友達にも聞いたところ「動物彫刻家と言えばポンポン。フランス人の動物彫刻家では一番、それ以降のアーティストに刺激を与えた人だと思う!」と教えてくれたので、だったらなおのこと、もっともっと知りたいなと思いました。今回、ナレーションのお仕事をすることで知ることができるので、すごくありがたい機会だなと思いました。
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ナレーション収録を終えて、
気になった作品はありますか? - 『錦鶏』をすごく観てみたいと思いました。「ちょっとデフォルメしている」と音声ガイドでも紹介しているので、その辺を観たいですね。長くしている尾は、どれくらい長くしているのか楽しみです。「ポンポンの作品は無駄な線をなくす」というのがあるので見た目にも気持ちのいい、なめらかな曲線だと思うのですが、自分の目で確認したいなと思います。代表作の『シロクマ』も見てみたいです。
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常盤貴子さんが彫刻を見られる時の
ポイントをお聞かせください。 - 美術館に行くと「‟どれか1個だけあげる”と言われたら、どれを持って帰るか?」と考えながら真剣に見るんです。くださるなんて絶対に言われないんですけど(笑)。でも、そうすると本当に真剣に作品と対峙するようになるんですよね。
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『フランソワ・ポンポン展』を楽しみにしている
皆さんへ、メッセージをお願いします。 - まだ日本ではあまり知られていないフランソワ・ポンポンですが、フランスでは「動物彫刻と言えばこの人の右に出るものはいない」と多くのアーティストに刺激を与え続けている方です。是非、この機会にポンポンの魅力を、私と一緒に体感していただけたらと思います。ポンポン作品の丸みを帯びた動物たちに、皆さん、癒されましょう。
※次にご利用可能な会場は山梨会場となります、予めご了承ください。
ポンポンの動物彫刻たち
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《シロクマ》 1923-1933年 / 大理石
群馬県立館林美術館蔵 -
《ヒグマ》 1918-1926年 / ブロンズ
群馬県立館林美術館蔵 -
ディジョン美術館蔵(国立自然史博物館寄託)">
《ペリカン》 1924年 / ブロンズ
ディジョン美術館蔵(国立自然史博物館より寄託)
© Musée des Beaux-Arts de Dijon/François Jay -
ディジョン美術館蔵(国立自然史博物館寄託)">
《キリン》 1906-1929年 / ブロンズ
ディジョン美術館蔵(国立自然史博物館より寄託)
© Musée des Beaux-Arts de Dijon/François Jay -
オルセー美術館蔵">
《ワシミミズク》 1927-1930年 / ブロンズ
パリ、オルセー美術館蔵
Photo © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / A. Morin / Gallimard / distributed by AMF
※この作品は3会場(京都、名古屋、群馬)のみ展示 -
《ほろほろ鳥》 1910-1912年 / ブロンズ
群馬県立館林美術館蔵 -
ディジョン美術館蔵(国立自然史博物館寄託)">
《錦鶏(キンケイ)》 1933年 / 磨かれたブロンズ
ディジョン美術館蔵(国立自然史博物館より寄託)
© Musée des Beaux-Arts de Dijon/François Jay -
ディジョン美術館蔵(国立自然史博物館寄託)">
《ハゲコウ》 1926年 / ブロンズ
ディジョン美術館蔵(国立自然史博物館より寄託)
© Musée des Beaux-Arts de Dijon/François Jay -
《牝豚》 1918年 / ブロンズ
群馬県立館林美術館蔵 -
《鳩「ニコラ」》 1926-1927年 / 石膏
群馬県立館林美術館蔵